「クシャトリラでビッグ・アイを採用」≂「シャングリラを残さない」=「環境にクシャトリラがいる」
クシャトリラの構築論について書きます。ランク7デッキを組む場合、採用圏内に入るであろう、「No.11 ビッグ・アイ」をクシャトリラで使うかどうか、という話を書きます。自分の個人的な意見としては、クシャトリラがビッグ・アイを最も使いたい対面がクシャトリラで、それ以外の対面では使う機会が稀だと思いますという投稿です。
ビッグ・アイの効果のおさらい
No.11 ビッグ・アイ
エクシーズ・効果モンスターランク7
闇属性/魔法使い族/攻2600/守2000
レベル7モンスター×2
1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る (1)。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない (2)。
- 対象を取るコントロール奪取効果です。従って後攻等、相手の場にモンスターがいる状態での運用が基本となります。
- 烙印融合やトランスコート・トーカーと同じ類の縛りで、効果を使う場合は攻撃できない制限がかかります。従って、アーゼウスの下敷きには向きません。クシャトリラ・ライズハートや撃滅龍 ダーク・アームドの場合は、使用後に縛りが付く効果なので混同注意。攻撃する場合は、例えば流麗の騎士ガイアストリームや厄災の星ティ・フォンなど、別のXモンスターを重ねるか、別のXモンスターで攻撃してから天霆號アーゼウスを重ねるといった運用が考えられます。
コントロール奪取について
コントロール奪取が成立する場面としては、相手の場に妨害がない、もしくは妨害を剥がしている状態で、相手の場に対象にとれるモンスターがいる局面となります。もし相手の場に何らかの妨害が立っている場合、まず返し札を使ったり、展開する等して、妨害を踏みに行くのが先だと思われます。では、クシャトリラ登場以降で概ねあたりそうなテーマを見てみましょう (クシャトリラ登場以降から2025年4月環境までの間に多少顔を出していたテーマは概ね紹介していると思いますが、多すぎるので漏れもあると思われます)。相手の盤面が80%程度の場合に、ビッグ・アイを使えそうなテーマに下線を引いてみます。
テーマから (GS系除く)
- @イグニスター
- アルカナフォース
- アルトメギア
- 暗黒界未海域
- インフェルノイド
- イビルツイン
- ヴァルモニカ
- ヴァリアンツ
- VS
- エクソシスター
- エルドリッチ (罠等がない場合)
- 焔聖騎士
- 炎王
- オルフェゴール
- 海皇水精鱗
- キマイラ (純、アザミナ、デモンスミス他)
- ギミック・パペット
- クシャトリラ (アライズが3素材揃う前)
- クリストロン
- K9
- 幻奏
- 原石
- GP
- ゴブリン・ライダー
- 蠱惑魔
- サイバー・ドラゴン
- 斬機
- 転生炎獣
- サンダードラゴン
- ジェムナイト
- シャーク
- シャドール
- 粛声
- 召喚獣
- 白き森
- シンクロン
- スケアクロー
- スネークアイ
- スピードロイド
- スプライト
- 征竜
- センチュリオン
- 閃刀姫
- 千年エクゾティア
- 相剣
- ダイノルフィア
- タキオン
- 超重武者
- 超量
- ティアラメンツ
- DDD
- デスピア
- デモンスミス
- テラナイト
- 天盃龍
- ドライトロン
- ドラゴンテイル
- 鉄獣
- ドラゴンメイド
- ナチュル
- 覇王魔術師/覇王幻奏
- 破械
- 春化粧
- PUNK
- ビーステッド
- HERO
- ピュアリィ
- 氷結界
- 幻影騎士団
- ブラックフェザー
- 青眼
- ふわんだりぃず
- ホープ
- ホルス (X等による汎用妨害がなく、永続等の縛りがない場合)
- 魔術師
- マテリアクトル
- 魔弾
- マテリアクトル
- M∀LICE
- 帝
- 卸巫
- 月光
- 冥界
- メタル化
- メメント
- ヤミー
- ユベル
- ユニオン
- ライゼオル
- ライトロード
- 烙印
- ラビュリンス
- 再世
- リチュア
- 六花
- LL
- 神碑 (永続の縛りがなく無効と破壊を使われない場合)
- 霊獣
- RR
- R-ACE
- レッド・デーモン
GS系
- 60GS
- 壊獣カグヤ
- 恐竜
- サイキックGS
- サイバースGS
- 植物GS
- ドラゴンリンク
- 地属性GS
- メタビート (永続等の妨害が立たず、効果が発動可能な場合)
こうしてみると、クシャトリラ以外のだいたいのテーマでは、無効妨害を立てる、破壊や除外等で着地狩り、ハンデスやターンスキップでそもそも展開させない等、誘発等で展開を妨害するか、事故るかしない限り、ビッグ・アイ着地までに、相手の盤面の妨害を剥がす必要があると思います。中でも線を引いた対面は、クシャトリラ含め、緩いくくりでメタビート系のデッキの、妨害が下振れた場合になると思います。そういう場合は、自分だったらビッグ・アイでコントロール奪取するのは、ワンキルできる場合と、コントロールしたモンスターをアーゼウスやティフォンの下敷きにする場合があると思います (リトルナイトになる場合はパーピヤスとライズ特殊召喚効果使用後のX縛りを考えると、クシャトリラでやるのは難しい印象です)。自分の場合、ビッグアイが出せるような妨害が甘い盤面だったら、そのままワンキルするとか、相手の後ろが邪魔という状態でなければ、展開して制圧盤面をつくるとか、制圧まではできずともクシャトリラを残した盤面を作ると思います。もしフェンリルが使える状況であれば、自分はビッグアイの対象を取る役割は、フェンリルで除去をする方がシンプルなことが多いと思います。
下敷きとしてビッグ・アイを考えると
クシャトリラでアーゼウスの下敷きにしたいモンスターとしては、破壊耐性があるシャングリラ、素材を複数重ねられる可能性が高いアライズハートがいます。局面によっては、相手の墓地やEXデッキ、メインデッキから裏側除外したいときのNo.89 電脳獣ディアブロシス、攻撃してから破壊効果を使う意味で、撃滅龍 ダーク・アームド、素材がある限り効果破壊耐性がある真紅眼の鋼炎竜が考えられると思います。あまり採用されない可能性があるランク7モンスターの中では、直接攻撃ができてダメステに追加ダメージを与えられるNo.28 タイタニック・モス、下敷きにした後でも自己蘇生できる征覇竜-ブレイズ、効果が適用できれば確実に戦闘破壊して3000ダメージを与えられる可能性が高いダーク・アンセリオン・ドラゴン、墓地に送られた場合にEXからオッドアイズモンスターを特殊召喚できるオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン等がいると思います。アーゼウスの下敷きとしてビッグ・アイを使いたいときは、相手の場にエクシーズモンスターがいて、効果を使えない場合や妨害効果を持っていない場合でしょう。ティフォンであれば高攻撃力のモンスターに重ねれば良いので、相手の場の高打点を処理しつつ、もう1体をバウンスする使い道が考えられると思います。また、ビッグアイに流麗の騎士ガイアストリームを重ねれば、攻撃に参加できるモンスターの頭数は減りません。条件が揃えばコントロール奪取したモンスターとビッグ・アイでS:Pリトルナイトを出せば、更に除去を打てますが、クシャトリラでビッグ・アイ着地後に、リトルナイトを含むL召喚に繋がる状況を作るのは要求値が高く難しいと自分は思います。ビッグ・アイ→L2を出せるのであれば、まだレベル7を出せる余地がある状態の可能性があり、そうなるとL3を出すこともできて、例えば混沌の戦士 カオス・ソルジャーあたりも競合先になるでしょう。果たしてビッグ・アイか?というのは検討すべき点でしょう。
ビッグアイでコントロール奪取したいのは「クシャトリラ」
総じて耐性が脆く、コントロールした場合に利があるモンスターの筆頭として、クシャトリラがいると思います。特に、相手がシャングリラの効果を使っている場合、何かしらのクシャトリラモンスターに重ねて、クシャトリラ・アライズハートをX召喚できます。クシャトリラはテーマ内に妨害がアライズハートとフェンリルくらいしかないので、例えば「フェンリルをコントロール奪取→アライズを攻撃して裏側除外→相手のフェンリルに自分のアライズを重ねる→展開」といった運用が考えられます。アライズ単独でアーゼウスを重ねてめくる場合は、「何かしらのクシャトリラを出す→アライズを重ねる→攻撃→アーゼウス」という動きが良いと思います。こうして一度盤面を剥がした後、ランク7を立てられるのであれば、そのままビッグ・アイで相手のクシャトリラのコントロール奪取し、効果を使って自分のクシャトリラを展開する (特にフェンリルとユニコーン) 使い方が考えられます。ランク7を使うテーマの征竜であれば、極征竜-シャスマティス、焔征竜-ブラスター、黒熔龍騎ヴォルニゲシュ、征覇竜-ブレイズ、撃滅龍 ダーク・アームドを使った除去で露払いした後にビッグ・アイを出す使い方がクシャトリラより現実的で、ビッグ・アイをより強く使えると思います。更に、EXからの特殊召喚に縛りが付かないので、相手モンスターとビッグ・アイで、S:Pリトルナイトを出す等して更にもう1体除去する使い方ができると思います。クシャトリラの場合、展開起点のパーピヤスの特殊召喚効果と、ライズの手札からの特殊召喚効果を使うと、その後X縛りが付くため、リンクやシンクロを使った展開をしたければ、これらをやる前にやる必要があるので、除去札として見る場合、「汎用としてのビッグ・アイは征竜で使う方がクシャトリラで使うより強い」と思います。汎用でコントロール奪取する意味があるモンスターとしては、例えば相剣大公-承影、燦幻超龍トランセンド・ドラギオン (天盃龍がトランセンドを残して返す局面は少ないと思いますが)、鬼動武者 といった、対象耐性を持たないけど単体のスタッツが高いモンスターや、ランク7に繋がるレベル7 (古聖戴サウラヴィス、黒魔女ディアベルスター、エンシェント・フェアリー・ドラゴン等) が考えられます。シンプルに心変わりは強いので、機能する局面であれば機能すると思いますが、その露払いを充分にできるか、という話になると思われます。
闇属性魔法使い族ランク7というステータスが生きる場合
他にビッグ・アイが選ばれる場合は、ステータスとのかみ合いがあると思います。例えばセンサー万別を入れた構築の場合、メインギミックにクシャトリラは魔法使い族を使いません。このように、併用しているギミックがビッグアイのステータスとかみ合う場合は、採用する理由になると思います。この場合は、コントロール奪取効果はついでと割り切り、使えたら良いなくらいに考えれば良いと思います。個人的には、センサー万別と合わせるなら、ドラゴン族Xで良いんじゃないかなと思います。例えば、アーゼウスの下敷きのとこで挙げた、撃滅龍 ダーク・アームド、真紅眼の鋼炎竜、征覇竜-ブレイズ、ダーク・アンセリオン・ドラゴン等をいったん出してからサイキック族クシャトリラを改めて並べる的な。
クシャトリラでビッグアイを使いたい環境は、シャングリラを残さない方が良い環境と重なる
ここまで書いた話をまとめます。
- クシャトリラでビッグアイを使いたい対面筆頭はクシャトリラ。
- クシャトリラ以外の対面にビッグアイを出せる状態であれば、展開する等、別の方法を優先する方が良い可能性がある (基本この場合が大半)。
- ワンキルできる時や、コントロール奪取で実質勝負を決められる場合は、ビッグアイの出番 (正直、その場面があまりない印象)。
これからクシャトリラを使う人が、紙のクシャトリラが環境デッキだった頃の構築を参考にすることが多いと思いますが、この時点ではクシャトリラは環境デッキの一角ではあって、クシャトリラのメタとしてEXにビッグ・アイを採用する理由がちゃんとあると思います。その後の時代、例えば2025年時点では、クシャトリラは紙でもMDでも環境デッキとよばれてないと思うし、クシャトリラが紙で環境にいた頃と比較して、ティフォンやリトルナイトといった、当時は存在しなかった汎用をEXに採用することができます。従って、「今の環境でビッグアイを使う意味はあるのか?」という問いを検討し、必要であるというなら入れるし、他のモンスターが優先されるなら不採用とするのが望ましいと思います。
クシャトリラが環境にいることを意識するなら、シャングリラを残さない方が良い
参考
- 頭類人のクシャトリラ (2410制限) の構築を少し解説@32人参加の大会優勝後に聞かれること増えたので (構築)
- 頭類人のクシャトリラ (2504制限) の構築の解説@アトラクター制限&サモリミ禁止のリペア (構築)
- クシャトリラ構築論2409、盤面全封鎖展開の例と、構築についての考え方 (盤面封鎖展開例ディアブロシスあり)
- ディアブロシスを使わずに盤面封鎖を狙える、2シャングリラ+3素材アライズ展開@月光戦にて偶然実演 (盤面封鎖展開例ディアブロシスなし)
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