スキドレは余程環境をメタれる時以外、クシャトリラに入れないほうが良いと思う
クシャトリラにスキルドレインを採用するかどうかについての考察です。クシャトリラは単体のスタッツが高い部類のデッキで、バースやプリペア等のモンスター効果が無効になっていても機能する永続等をテーマに持っているデッキのため、スキドレを採用する構築を目にすることがあります。クシャ歴の長い使い手としては、結論クシャトリラとスキドレの相性は自分は中途半端に思います。使うとすれば、環境上位に対して先攻スキドレが刺さる場合のみ検討、それ以外は基本的に入れないのが良いと思います。
検討にあたって、着目すべき点
概ね、以下4点に着目するのが良いと思うので、それぞれ紹介していきます。
- クシャトリラの特徴、強み
- クシャトリラがスキドレに求める役割とマッチング
- 高打点ビートするデッキの中でのクシャトリラの立ち位置
- スキドレを使うデッキの中でのクシャトリラの立ち位置
- 環境に対するスキドレの刺さり具合
1. クシャトリラの特徴、強み
クシャトリラというテーマの強みとしては、スローゲームに持ち込んだとき、カード1枚あたりの質で勝負するのが強いと思います。攻撃力2500のユニコーン、2800のオーガ、2400のフェンリル、2600で攻撃できるスケクシャ等、メインデッキに入るモンスターのスタッツが高めで、約2500ラインのモンスターをポン出しできるのが強みになります。加えてアライズハートのマクロコスモス効果や、お互いのターンに使えるフリチェ除去、お互いのターンに裏除外できるユニコーン等のモンスターや、相手がカードを使ったときに裏除外でリソースを奪えるバースやプリペア等で、相手のリソースを奪うことでリソース差をつけて勝つデッキに思います。そしてシャングリラ、バース、プリペア、ビッグバン、パーピヤス等を活用して、少しずつリソース差を広げていく戦いを得意とします。クシャトリラ同様のスタッツのモンスターを並べるには、他のテーマでは複数カードを使って展開する必要があることが多く、少ないカードで高スタッツのカードを並べられるのが強みに思います (しかし、スタッツの最大値はさほど高くないので、展開系がしっかり回してきた場合などは、超えられないことが多いです)。
2. クシャトリラがスキドレに求める役割とマッチング
そうすると、クシャトリラがスキドレを使う場合、期待する役割は、相手の展開を止めてスローゲームに持ち込むことになります。相手が物量勝負をすることができず、同じ枚数あたりの勝負にした場合、クシャトリラの方がスタッツが上回る場合は勝算があるでしょう。ここで検討するべきは、「展開を止める役割は本当にスキドレか?」という点です。展開を止める役割では、個人的には、2504環境では禁止カードのサモン・リミッターやカイザー・コロシアムとのマッチングが非常に良いと思います。シャングリラで往復で特殊召喚することができ、シャングリラの効果を発動したターンにクシャトリラにアライズを重ねることができ、プリペアやスケクシャ、ビッグバン等で相手ターンにクシャトリラモンスターを特殊召喚することもできるので、サモリミではモンスターが2体並んだ時点、あるいは3体目が効果で特殊召喚される時点で開いて展開を止めて、返しのターンにアライズを出すとか、カイコロの場合は展開が伸びない場合はシャングリラやレベル7クシャトリラモンスター単騎にして耐えて、返しのターンで展開して8000を取り切ったり、展開が伸びる場合は二ビルケアに使うと強いです。サモリミやカイコロでは、ロックをかけることで「同じ枚数あたりの質の勝負」に持ち込むことができます。相手に展開を伸ばさせないためには、そもそも出させないか、出した後に処理することができるカードが候補になります。例えば2504制限で使えるカードでは、以下のようなカードがあげられます。
- そもそも出させない例
No.89 電脳獣ディアブロシス、神の宣告、紅蓮の指名者、次元障壁、同契魔術、次元の裂け目、マクロコスモス、王家の眠る谷-ネクロバレー、赤酢の踏切など - 出した後に処理する例
クシャトリラ・ビッグバン、超融合、激流葬、断絶の落とし穴、覚めない悪夢、禁じられた一滴など - 1-2両方を使う例
センサー万別、群雄割拠など
以上踏まえてスキドレは3に入ると思われます。スキドレがあっても機能する効果としては、バース、プリペアによる妨害や蘇生はスキドレ下でも問題なく使用できます。また、パライゾスがある状態でシャングリラの効果が発動すれば除去を行えるのですが、これはシャングリラの効果を空打ちでも良くて、スキドレ下であっても効果の発動はできるので、シャングリラ+スキドレ+パライゾスという盤面であれば、お互いのターンに1回対象をとる破壊を行えます。この時スキドレを割ることもできるので、自分で解除することができます。一方で、クシャトリラは場で発動するモンスター効果でアドを取るデッキでもあり、スキドレがあることによってそれなりにマイナスになります。例えば、マクロコスモス効果を持つエースモンスターのアライズハートは、永続効果なのでスキドレ適用下では本来の強みが生かされません。アトラクターやマクロコスモス等を素引きしなくても、マクロコスモス状態を押し付けるテーマカードなのがアライズハートの強みの一つだと思いますが、この強みが失われます。アライズがいることで、アライズの素材に除外されたカードをX素材に入れたり、アライズの効果で例えばパーピヤスやビッグバン等を除外してリソースを広げていく動きがありますが、スキドレを使うとこういう動きができなくなります。効果無効としては、テーマ内に戦闘を介するとエンドフェイズまで相手のモンスター効果を無効にする発動を介さない永続効果を持つ「スケアクロー・クシャトリラ」がいて、例えば相手が発動したモンスター効果を受けない状態のカオス・アンヘルをスケクシャがいる状態で、適当なクシャトリラで攻撃宣言し、その後スケクシャが場に残っている場合、その後アライズハートの効果などの本来耐性でふせがれる効果で除去できるようになります。スケクシャを絡めたプレイはバグースカの解答になる等完全耐性意外についてはスケクシャが突破口になる可能性があり、他のテーマと差別化できる強みだと思うので、個人的にはスキドレよりスケクシャを優先して使う理由になると思っています。クシャトリラには、墓地効果を積極的に使うことはほとんどなく、一応効果で墓地に送られたティアクシャの効果で自分のデッキから墓地にカードを落として、バースで拾ったり、スケクシャ等で除外してからプリペアで拾う使い方もできなくはないのですが、あまりやらない動きなので、基本的に墓地効果は混ぜ物をしない限り使わないものだと思って差支えありません。他に選択肢がある中で、スキドレなのか?というのはよく考える必要があると思います。
3. 高打点ビートするデッキの中でのクシャトリラの立ち位置
結論から言うと、3000打点を超えるとクシャトリラでは難しくなります。パライゾスでの打点上昇があれば場のモンスターの属性の種類が6種類あれば、3600 (アライズハート) まで伸びますが、基本的には3000を超えると難しくなります。例えば、そもそも効果がない青眼の白龍であっても突破する手段が限られます。従って、3000を超える打点を簡単に出せるデッキは、スキドレを張っていても高打点で押し切られてしまう可能性があります。オーガが2800を超える時点で大変です。例えば、青眼 (青眼の白龍、ブローアイズ・タイラント・ドラゴン等)、センチュリオン (レガーティア、アークシーラ等)、ライゼオル (デッドネーダー等)、ヴァンキッシュ・ソウル (ヴァリウス等)、ラビュリンス (迷宮城の白銀姫、白銀の城のラビュリンス等)、ホルス (イムセティ等)、スネークアイ (蛇眼の炎龍等)、メメント (テクトリカ等)、R-ACE (タービュランス、プリベンター等)、ティアラメンツ (ルルカロス、カレイド等)、エルドリッチ (エルドリッチ墓地効果適適用後等)、烙印 (ミラジェイド等)、汎用 (バロネス、アンヘル、サベージ、ガーキマ等) など、スキドレ下で場のモンスター効果を使わずとも3000打点を用意できる環境で活躍したデッキはそれなりに多いと思われます。仮に効果を無効にできたとしても、相手の打点を超えられないのであれば意味がないと自分は思います (同じ理由でクシャトリラが一般的なメタビートに相性ガン有利になります)。
4.スキドレを使うデッキの中でのクシャトリラの立ち位置
スキドレを使うデッキの中で、クシャトリラがどれくらい優位性があるかを検討する必要があります。3でみたスタッツ意外に検討する点は以下の点でしょうか。
- 魔法罠が主体である
- サポートカードが厚い
- 手札、墓地、除外状態、魔法罠扱いの場合のモンスター効果が主軸、強い
- 場を離脱する等して自分側の効果を一方的に通せる
例えばルーンや一般的なメタビートは、1、2でそもそも魔法罠が主体で、仮に場のモンスター効果が無効になっていたとしても、魔法罠等の妨害を中心に戦うことができ、モンスター効果が無効になるデメリットは相手の方が大きいことが考えれられます。エルドリッチもメタビ等と似た系統ではありますが、エルドリッチの効果で自分のタイミングで永続を剥がすことができるのが強みに思います。ホルスであれば、モンスター効果が無効でも墓地からの特殊召喚とダメステで相手モンスターを墓地に送る効果を使うことができます。クシャトリラと近いスタッツのリジェネシスでは、効果無効状態でべレシートとワイクラーの効果を一方的に通すことができて、相手エンドフェイズに墓地からテーマカードを回収できる強みがあります。原石青眼では、罠カードの効果を受けないタイラント・ドラゴンがいて、真の光で青眼の白龍を毎ターン出せて、威光等の除去札もあり、効果が無効であっても、原石の穿光を使いまわせます。月光や超量など、テーマ内で完全耐性のモンスターがでるなら、相手にだけ一方的に無効を押し付けることができます。霊獣は分離効果をチェーンして使うことで、例えばカンナホークのサーチ効果等、相手側だけ一方的に効果を通すことができ、サンダードラゴンは打点を上げられる雷源龍がいるので、スタッツを武器に、手札、墓地効果でリソース戦を仕掛けることができます。炎王は墓地効果で展開や妨害ができて、永続を自分で剥がすことができます。ビーステッドは、たとえばドルイドヴルムの墓地効果で妨害したり、烙印の獣や復烙印を使いリソース戦をすることができます。破械は効果発動にチェーンしてカードを割れば効果を通すことができ、墓地効果も多用します。こうしてみると、スキドレを使える、もしくは効果無効を生かす構築を組む場合、クシャトリラ以上に強く使えるデッキがそれなりにいると思われます。従って、スキドレを積むことがクシャトリラの強みかと言われたら、自分は違うと思います。
5. 環境に対するスキドレの刺さり具合
環境トップがスキドレを強く受ける場合、クシャトリラでスキドレを積む理由になると思います。例えばこちらが先攻でスキドレを張ることが刺さりやすいデッキとしては、例えばピュアリィ (速攻魔法の効果付与はピュアリィXモンスターのモンスター効果となる)、粛声 (ローガーディアンのステータスが元に戻り、妨害効果も消える)、御巫 (反射効果を生かすにはモンスター効果が機能している必要があり、場のモンスター効果で盤面を広げることも大事) のようなデッキが環境上位にいる場合に採用を検討するカードに思います。また、エクスでアグリゲーターを墓地に送って展開できるライゼオルは、基本的にカードを墓地に送れる場合はだいたいの永続カード1枚であれば突破されるので、ライゼオルが環境にいる場合はスキドレの価値が下がると考えられます。従って、環境にいるデッキのスキドレの刺さり具合を見て、他に積むカードに比べてスキドレの価値が高いと思うなら、積むタイミングに思います。
まとめ
クシャトリラでスキドレを採用するなら、テーマカードのバース、プリペア、ビッグバンはクシャトリラモンスターがいないと意味をなさないので、1枚でも仕事できる強い罠を入れることがあって、その場合にスキドレが採用されることもあると思います。しかし、妨害することはあくまで勝つための手段の一つであって、勝つためには相手ライフ8000を削りきるか、相手をデッキアウトさせる必要があります。妨害する事ばかりに意識が向いた結果、相手がゆっくり準備を整えて突破されたら負けますよね。相手が準備を整える前に押し切れるなら意味がりますが、その前に突破されてしまうとしたら本末転倒だと思います。妨害すれば勝てる的なイメージを持つのは良くないです。あくまで妨害は妨害で、その後どうやって勝つのか考えるのが不可欠に思います。自分としては、強い妨害札を入れてイージーゲームする事ばかりに目を取られると、勝ち筋から遠ざかって負けると思います (どの体面にどう立ち回ればイージーゲームできるかちゃんとわかって使ってますかと言われて、解答があるなら良いと思うし、なんとなくだったら、それは勝てないでしょと思います)。妨害ばかりに気をとられていると、例えば↓のような勝ち方を逃すと思うので、常にどうやって勝つかを考えるのが大事だと思います (イージーゲームに気をとられているようなスタイルだと、こういう動きを実践ではできなさそうに思います)。
コメント
コメントを投稿