クシャトリラで勝つためのデッキ構築の「ミュウツー理論」
自分がクシャトリラが環境デッキと言われなくなった後も大会環境で使い続け、(無双するようなことはできてないと思うが)、一定の成果を出した (デモンスミス環境ではデモンスミス系統のデッキに勝率8割以上出ていた等) と思っていて、構築を考える上で、自分のクシャトリラで取り得る全ての型を完封できるテーマはない状態になるように意識して構築しています (ミュウツー理論とよんでいます)。
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ポケモンの対戦環境におけるミュウツーについてのあれこれ
ここはポケモンの記事ではないのでざっくりとだけ触れます。ポケモンのミュウツーは、初代ポケモン時代では他を圧倒するスペックの最強ポケモンでした。特に特殊、以降のシリーズで特攻 C値の高さが強みで、初期は高いステータスを生かして高速特殊アタッカーとして活躍するほかに、豊富なサブウェポンを駆使して戦うことができました。時代が進み、ミュウツーが使用できるレギュレーションではより高火力を出せる競合先が増える等、元々の強みだった火力がインフレに後れを取るようになりました。一方で、サイコブレイクという専用技が与えられ、攻撃側は特攻 C値を参照にする特殊技は、本来相手は特防 D値で受けるものの、サイコブレイクでは防御 Bを参照に特攻を参照にして攻撃することができる (一般ポケモンも使える同系統のエスパー技の中で他より打点が出る) 等、他の同タイプにはない個性が与えられ、また豊富なサブウェポンや特性や専用の持ち物等の存在で、多様な型をとることができる器用なポケモンという立ち位置となっています。ある役割を担うポケモンでみればミュウツーより上位互換となる存在がいる場合が多いけれど、相手にしてみればミュウツーがどの型なのかは対戦してみないとわからず、型の多様性が故に、「ミュウツーの全ての型を単独で対策できるポケモンはいない」といわしめるようなポケモンでした。クシャトリラもかつては環境デッキでしたが、環境デッキを落ちたデッキとしてのクシャトリラが生きるヒントはこれだと思っています。
クシャトリラの型のおさらい
クシャトリラは裏側除外が得意なテーマで、裏側除外されたカードを再利用する方法は少なく、ほとんどのデッキにとって裏側除外されたカードは使用不能となります。2025年7月時点で、クシャトリラは最も強く裏側除外を使えるテーマとしての強みがあると思います。クシャトリラの場合は、8000ライフを削りきるほかに、デッキ破壊 (メインデッキ及びEXデッキを含む) やバーン (真紅眼の鋼炎竜) を勝ち筋にすることができます。そのプロセスとして、制圧路線をとることもできれば、相手と対話したりリソース戦を行うミッドレンジ路線、相手をロックするメタビ路線 (低速高打点ビート含む)、高いスタッツのモンスターを押し付ける路線をとることができると自分は思います。ミュウツーにならって、専用技のサイコブレイクを裏側除外、取りえるスタイルや勝ち筋をサブウェポンとしてみると、ミュウツーとクシャトリラは似ている印象を持ちます (ある意味、ポケモンの対戦環境で誰かがミュウツーを活躍させるために取り入れて結果を出した考え方に近いものを、自分はクシャトリラに使っています)。裏側除外という専用技を生かしながら、豊富なサブウェポンと簡単には読めない戦い方のバリエーションで器用に戦うのが今のクシャトリラだと思います (最も、こんなことができる使い手は余程使い込んだ上澄みくらいで、2025年4月環境前後のレギュレーションだと、メタビに寄せると命削りの宝札やパキケボーダー全て3枚使える元祖メタビや、超融合を縛りなく採用できリソース戦に強いリジェネシスという強い競合先がいるので、極端に罠パカに寄せた方針のクシャトリラは紙では息してないと思われます)。混ぜ物の割合が少ない場合、所謂純構築に近い構築を取る場合、以下のような方針で戦うことができると思っています。
- 盤面封鎖 (シャングリラ)。
所謂制圧路線です。特にペンデュラムに対して強く出られます。主要なテーマに対してはシャングリラでどこを塞ぐのかをしっかり理解しておきましょう。基本的には、シャングリラかアライズをEXモンスターゾーンに出して、反対側のEXモンスターゾーン周りをうめていくことで相手の展開を妨害します。例えば植物リンクだとEXの真下をうめるとか、メタビやルーンなら魔法罠を埋める (効果無効になっても解除されない) など、相手の強みを奪える位置を覚えておきましょう。 - ディアブロシス、オーガ、ライズ等を使ったデッキ破壊
デッキアウトさせるよりは、相手のデッキのリソースを削り弱体化させることを目指します。アライズがでていればティアクシャでルーンのような除外攻めもできます。デモンスミスとの混ぜ物など、抜かれたら嫌なカードが多い対面に対しては、除外攻めでデッキを削るのが有効です。エクソシスターやメタビートのように、だされたら厄介なカードがある一方で、墓地や除外状態から回収する方法をもたない、乏しいデッキに対しては、墓地落としも加えてデッキ破壊を連打するのも有効になります。 - ミッドレンジ路線
相手のリソースを奪う戦い方で、バースやプリペア等を構えて裏側除外を踏ませる「打たせて取る」方針と、相手のリソースを奪って出させない (ユニコーン等を活用) があります。手札が制圧できる手札でもなく、相手をロックできるようなカードも引けなかった場合だけではなく、展開して制圧しようとしたけれど相手の妨害を受けてプラン通りに展開できなかった場合や、ロックした盤面から攻めあがる場合にこのスタイルをとることが多いと思います。クシャトリラである程度以上勝ちたければ、ミッドレンジ路線の戦い方をしっかりできるようにしておく必要があると自分は思います。(参考: クシャトリラはミッドレンジ型が最重要:「相手のリソースを奪う」という勝ち筋) - 相手をロックしてのメタビ路線 (広義に墓地メタも含む)
相手の展開を止めて、スローゲームに持ち込むことを目指します。クシャトリラモンスターが場にいれば、バースやプリペアでちまちまとアドをとれる可能性があります。ロックが成立した場合は、オーガやユニコーンで繰り返し攻撃していくことでちまちまリソースを削るのも有効です。特に、オーガの効果を使って相手のデッキトップの1枚目と2枚目を見て、盤面が出来上がった後の増殖するG等、引いてもしょうがないカードを引かせることで、事実上相手をロックすることができ、ロックできた場合や相手が事故って動けない場合のオーガは勝負を決める1枚として仕事します。シャングリラの効果を空打ちして、パライゾスで相手のカードを割るとか、アライズになる条件を満たす等、小技を有効に使いましょう。メタビやルーンに対しては、ロックされる前にパワーで押し切ることを目指します。ロックすることは勝利条件ではないので、ライフを取りきるなど、ロックして満足せず、勝つための1手をしっかり突いて勝ち切りましょう。 - 相手のデッキでは突破不可能なモンスターを出す。
実はこの考え方は意外と盲点で、ユニコーンなどでEXデッキを覗ける情報アドバンテージを考えると、大型モンスターと相性が良いです。クシャトリラはランク7展開意外にもできることが多く、例えば3チューナーのうららと10シンクロが立てやすいなど、その中でもクシャトリラモンスターとマッチングが良いものが候補になります。例えば相剣大公-承影は、除外をトリガーに相手の場と墓地のカードを対象を取らずに除去でき、基本的に対象を取る除去手段しか持たず、3500以上の打点を出すことが苦手なクシャトリラとのマッチングが良く、クシャトリラにはできないことができるようになります。自分の構築で採用している白いのもこの役割で、相手の構築次第では相手に解答がなく、出せば実質勝ちになる場合があります。このように、クシャトリラテーマだけではできないことができるカードを入れておくと、本来突破できない盤面を突破できる可能性が生まれ、相手は意識して対策カードを入れようとしてサイチェンを歪められる可能性があります。ユニコーンやディアブロシス、オーガによって、パワーカードの天敵を排除できる可能性があり、クシャトリラにしかできないパワーカードの使い方になります。 - 殴るスキドレ、スケアクロー・クシャトリラを絡める
特に粛声、天盃、ユベル、御巫等、スケクシャが刺さる対面がいるので覚えておきましょう。スケクシャ存在下で、適当なクシャで殴ってから、アライズ効果を使えば、アストラムや完全体アンヘルを排除できる等、スケクシャを活用した小技も有用です。スケクシャは、クシャに詳しくない相手だと警戒してこない可能性があり、カモにできる可能性があります。特に天盃。天盃は、まずトランセンド、次にブラロを抜けば、メインギミックはスケクシャで殴れば9割方勝てる対面になります。 - クローザーとしての真紅眼の鋼炎竜によるバーン
真紅眼の鋼炎竜は、相手が効果を発動後に500ダメージを与える永続効果を持っています。このバーンダメージ、相手のライフが残り500以下になった時が凶悪で、相手が効果使用後に効果が有効な真紅眼の鋼炎竜が場に存在していれば勝つことができます。M∀LICE、P.U.N.K.、ダイノルフィアといった展開時にライフコストを払うデッキに対して特に強くでることができ、こちらは貧弱な盤面で、相手が展開できれば勝利確定ではあるけどバーンダメージを超えられない結果クシャトリラ側が勝利する勝ち方を取ることができます。相手が事故った場合に少ないモンスターで攻撃し、ライフを残り500以下にして真紅眼の鋼炎竜使い方は特に良く使うと思うので覚えておきましょう。 - 特に後攻からだと手数を出せる
チェーンブロックに乗らない特殊召喚で出せるユニコーン、フェンリル、オーガの他に、ティアクシャやスケクシャの採用や、その他のチェーンブロックに乗らない特殊召喚で場に出力できる雷仙神などの汎用を追加することでそれなりに手数がでるようになります。特に、後攻サイチェンでは、自分はライズハート1枚をダイナレスラー・パンクラトプスに入れ替えるサイチェンをしていて、このように相手の場のほうがモンスターが多い状況、所謂パンクラ条件での特殊召喚を追加して手数を追加できます。特に、相手が事故ったり誘発で止まるなどして盤面が弱いときに、モンスター3~4体で二ビルを踏まずにライフを取りに行く動きが強いです。それなりの打点のモンスターをチェーンブロックに乗らない特殊召喚で出せるということは、リトルナイト等、相手の妨害の一部を打点で露払いできるということです。特にメタビのようなデッキ相手には、打点とライフカットの速度はクシャトリラが上回り、テーマ内に除去手段があるため、有利対面となります。 - 小技の数々
アライズがいると、除外状態のカードを素材に入れた場合、相手のカードを素材に入れる際、一時的に場を離れて戻る効果 (リトルナイト、コズブレ、紅蓮の指名者等) を素材に入れた場合、戻す必要がなくなったり、アライズの粗材に閉じ込めておくことができる (特に霊獣とふわんだりぃず戦) とか、アライズは裏側除外されたカードを素材に一旦入れることで表に返せるので、壺で裏側除外したカードをアライズで表に返して使う使い方 (旧神ヌトスや、ネクロフェイズ等) ができるとか、撃滅龍ダーク・アームドの破壊効果を使用した後は強制効果で自分の墓地のカードを除外する必要があって、これを活用して展開したりリソース戦できるとか、知っていると使える小技が多々あり、マイナーなものも多いので、意外と相手を突破するための起点になることがあります。
クシャトリラのミュウツー理論
ではこのミュウツー理論をどうやって勝ちに繋げるかですが、前提条件として「クシャトリラが環境外であること」は素直に認めましょう。誰が使ってもそこそこくらいには強いデッキではなくなっていると思います。環境デッキがなぜ環境デッキと言われるかというと、①勝っているから②勝っている人の構築や動きを真似すれば、ある程度勝てるようになるまでにさほど練度を求められないから、だと思われます。環境外になるには理由があります。よくある理由としては、出力が足りないとか安定性が低いとか難しいとかがあります。2024年10月環境では、例えばメメントは上手い人が使えば強かったですが、難しかったため使い手の数がライゼオルや原石青眼などの他の上位テーマと比べて増えず、環境での評価が控え目となりました。このように練度を問われるデッキに関しては、どうしても使い手が少なくなる傾向があると思われます。クシャトリラについては、(1)フル展開できた時の出力は未だ環境トップと渡りあえる (2) 安定性に欠ける (3) 現在は展開がアドリブで練度を問われる、という特徴があると思っています。自分の構築の場合は60枚デッキのように安定性を犠牲にして重ね引きした場合の出力を上げる構築にしています (安定性では、環境デッキどころか、大体のデッキを下回る一方で、最大展開が通れば、今の環境デッキが相手であっても充分勝つことができると思います)。クシャトリラとしては、先攻サイチェンする場合は強い罠や永続等をたくさん入れているけれども盤面封鎖して制圧する展開力も持っている (その結果誘発貫通力は犠牲にする) 構築にして、後攻では多くの場合手数が出る構築にしています。盤面全封鎖するような手札の場合、誘発や一部の返し札が有効に働く一方で、ガン伏せするような手札だった場合は後ろ割りなど、魔法罠に干渉できるような対策札が有効になることが多いです。更に、高スタッツのモンスターを押し付ける方針もオプションに入ります。これらは同時に対策することができず、全てを対処しようとすると、メインギミックをぬいて初動や安定性をある程度犠牲にする必要が出てきます (その結果、相手の事故率を上げるのが狙いの一つです)。環境外となったクシャトリラで、出力を高めた構築にする場合、盤面の再現性が落ち、引きに頼るガチャガチャデッキとなります (ティアラメンツと同系統といった印象です)。そうすると、どんなスタイルをとるかは初手を引いてみないとわからず、使う側も相手も運に任せることになります。とはいえ、運を武器にせずに安定性や再現性で勝負すると高確率で環境デッキにパワー負けするところを、出力を上げて攻め手の多様性を引き出した構築にすると、引きのじゃんけんのような勝負に持ち込むことができます。その結果、本来コンスタントに負ける部分 (例えば展開せず罠や永続ばかりが目立つとバック除去に重きを置いたサイチェンをされる) を攻め手の多様さからミスマッチをつくって突破口とし、勝ちを拾う可能性が生まれます。このような理由から、マッチ戦でサイドチェンジを意識する場合は、「展開もできるぞ」「ガン伏せもあるぞ」「高スタッツの化け物もいるぞ」「デッキ破壊もしてくるぞ」「バーンもあるぞ」「動けずに返しでG投げたらワンキルされるぞ」等と相手に意識させることで、2本目以降で相手にいろんな対策札を積ませることによって、相手のメタを弱めることを意図しています。後攻では、チェーンブロックによらない特殊召喚で出せるモンスターをクシャトリラモンスター以外に汎用を追加して、(ドロー系で大量に引いた場合特に重ね引きが腐りにくくパワーになるような) 手数とEXやサイドギミックも含めた攻め手のバリエーションを確保することで、相手の意表を突いた突破口を開く可能性や、手数で超える可能性がでるような構築を意図しています。
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